はじめてのサステナブル旅行:宿泊施設で始める「エコな滞在」ステップガイド
サステナブルな旅行を始めるにあたり、「旅先では何をすれば良いのだろうか」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。特に、旅行中の多くの時間を過ごす宿泊施設での行動について、具体的にどうすれば環境や地域に配慮できるのか、疑問をお持ちになるのは自然なことです。
このページでは、はじめてサステナブルな旅行に取り組む皆様に向けて、宿泊施設での滞在中に実践できる「エコな過ごし方」を、分かりやすいステップ形式でご紹介します。難しいことはありませんので、ぜひご自身のペースで始めてみてください。
なぜ宿泊施設での過ごし方が大切なのでしょうか?
私たちが普段利用する宿泊施設では、多くのエネルギーや水が使われ、ゴミが発生します。また、提供されるサービスやアメニティが地域の環境や経済に影響を与えることもあります。
私たちが宿泊施設で少し意識して行動するだけで、これらの資源の消費を減らし、環境への負荷を小さくすることができます。これは、サステナブルな旅の目標である「旅を楽しみながら、訪れる土地の環境や文化、人々を大切にする」ことに繋がる大切なステップなのです。
それでは、具体的にどのようなことができるのかを見ていきましょう。
宿泊施設で実践する「エコな滞在」ステップ
ここでは、チェックインからチェックアウトまで、宿泊施設での滞在中に無理なく取り組めるエコな行動をステップ形式でご紹介します。
ステップ1:チェックイン時にエコな選択肢を確認する
最近では、環境に配慮した取り組みを行っている宿泊施設が増えています。チェックインの際に、以下のようなエコな選択肢がないか確認してみましょう。
- 連泊時の清掃やリネン交換について: 毎日ではなく、必要な時だけ清掃をお願いしたり、シーツやタオルなどのリネン交換を控えたりすることで、水や洗剤、エネルギーの使用を減らすことができます。清掃不要やリネン交換不要の意思表示ができる仕組みがあるか確認してみましょう。
- アメニティの提供方法: 歯ブラシやカミソリなどのアメニティが、必要な分だけ選べるようになっているか、あるいは持参を推奨しているかなど。使い捨てプラスチック製品の削減に協力できます。
- 館内のエコな取り組み: 館内の節水・節電の案内や、ゴミの分別方法などが掲示されていないか確認してみましょう。
もし分からなければ、スタッフの方に尋ねてみるのも良いでしょう。「何か環境に配慮してできることはありますか?」と尋ねることで、宿泊施設の取り組みを知ることができますし、施設側にも利用者のエコへの関心を示すことにもなります。
ステップ2:部屋でのエネルギー消費を意識する
滞在中、部屋で快適に過ごすために電気やエアコンを使用しますが、少しの意識でエネルギーを節約することができます。
- 不要な照明は消す: 部屋を出る際や、昼間十分に明るい時は照明を消しましょう。
- エアコンの設定温度を調整する: 冷房は高めに、暖房は低めに設定するなど、快適な範囲で無理のない温度に調整しましょう。また、長時間の外出時は電源を切るなど、こまめに利用することも大切です。
- 窓の開閉に注意する: エアコン使用中は窓を閉め、設定温度での効率を保ちましょう。換気の際は、短時間で済ませる工夫をしましょう。
- テレビや充電器の電源を切る: 使用していない電化製品の主電源を切ることで、待機電力の消費を抑えることができます。スマートフォンなどの充電も、完了したらすぐに充電器をコンセントから抜くようにしましょう。
これらの行動は、普段ご自宅で実践されていることと同じように考えていただければ、無理なく取り組めるはずです。
ステップ3:バスルームでの水の使用量を減らす
宿泊施設で最も水を使う場所の一つがバスルームです。ここでも、意識を変えるだけで大きな節約に繋がります。
- タオルの再利用: 連泊の場合、タオルかけにかけて乾かせば、翌日も使うことができます。タオル交換の頻度を減らすことで、洗濯に必要な水や洗剤、エネルギーを節約できます。多くの施設では、タオルを再利用する場合はタオルかけに、交換してほしい場合はバスタブに入れるなど、意思表示の方法が用意されています。
- シャワーの使用時間を短くする: シャワーのお湯を流しっぱなしにせず、体を洗っている間はお湯を止めるなど、短い時間で済ませるように心がけましょう。
- お風呂のお湯を溜めすぎない: バスタブにお湯を溜める際は、必要十分な量にしましょう。
ステップ4:食事での無駄を減らす
ホテルでの朝食や夕食など、食事の際にもエコを意識できる場面があります。
- ビュッフェ形式の場合: 食べられる分だけ取るように心がけましょう。食品ロスを減らすことは、環境負荷を軽減する上で非常に大切です。
- マイボトル・マイカップの利用: 部屋に電気ケトルがある場合、飲み物用にマイボトルやマイカップを持参し、そこで作った飲み物を入れて持ち歩くことで、使い捨てカップなどのゴミを減らせます。ホテルによっては、館内に給水機を設置している場合もあります。
ステップ5:ゴミの分別に協力する
宿泊施設では、宿泊者が出すゴミを適切に処理する必要があります。ゴミの分別に協力することは、リサイクルを促進し、ゴミの量を減らすことに繋がります。
- 部屋のゴミ箱を確認する: 部屋に分別用のゴミ箱が複数設置されているか確認しましょう。
- 案内に従って分別する: 施設が定めた分別ルールに従い、正しくゴミを分けましょう。もしルールが分からない場合は、スタッフの方に尋ねるか、あるいは燃えるゴミ、プラスチック、ビン・カンなど、できる範囲で分けておくようにしましょう。
ステップ6:困った時は遠慮なく質問する
サステナブルな滞在について疑問があったり、どのように行動すれば良いか迷ったりした時は、宿泊施設のスタッフに遠慮なく尋ねてみましょう。
「環境に配慮したいのですが、何かできることはありますか?」「ゴミの分別方法を教えていただけますか?」など、具体的に質問することで、適切な情報を得られます。多くの宿泊施設は、宿泊者のこのような関心を歓迎してくれるはずです。
大切なのは「無理なく、できることから」
宿泊施設でのエコな滞在は、決して特別なことではありません。普段ご自宅で実践されている節約やエコな行動を、旅先でも少し意識して続けることと考えれば、取り組みやすいのではないでしょうか。
ご紹介したステップ全てを一度に実践する必要はありません。まずは「タオルを連泊時は再利用する」という一つのことから始めてみる、というように、「無理なく、できることから」取り組むことが大切です。
あなたの小さな意識と行動が、訪れる地域の美しい自然や文化を守り、そこで暮らす人々への配慮に繋がります。サステナブルな旅行は、快適さや楽しさを犠牲にするものではなく、むしろ旅をより豊かで meaningful(意味のある)ものにしてくれるはずです。
この情報が、皆様の「はじめてのサステナブル旅行」における宿泊施設での滞在を、より心地よく、そして地球に優しいものにする一助となれば幸いです。